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Babs Reingold(バブズ・ラインゴールド)『The Last Tree』
curated by 由本みどり


2013年5月4日 - 2013年6月28日

アーティスト: Babs Reingold(バブズ・ラインゴールド)
キュレータ: 由本みどり

オープニング・レセプション:5月10日(金)午後6−8時
アーティスト・トーク:5月22日(水)午後6−8時

イセ・カルチュラルファンデーションは、由本みどり(ニュー・ジャージー・シティー大学ギャラリー・ディレクター)のキュレーションによる、バブズ・ラインゴールドの個展「最後の木」を開催いたします。
「最後の木」は、金属製バケツに入れられた、193個の木の切り株を格子状に並べ、ギャラリー空間を荒涼とした風景へと転換させる、記念碑的なインスタレーションです。切り株の数は、国連に代表される世界各国の数に相当します。格子から一本立ち上がる大きな木は、「最後の木」の象徴であり、地球上の絶滅に瀕しています。既に破壊された切り株の群れは、「最後の木」の破壊(人類が自らもたらしつつある運命)を目撃するかのように構えています。インスタレーションに伴うビデオ映像と音が、この状況の緊急性を増幅させます。
この作品は元々、人類学者ジャレド・ダイアモンドの著作、『文明崩壊――滅亡と存続の命運を分けるもの』(2005年)に基づく講演と、その中での彼の問いかけ、「イースター・アイランド人が最後の木を切り倒した時、何を考えていたと想像しますか?」にインスピレーションを受けたものです。バブズ・ラインゴールドは、我々 一人一人に、個人的、そして身体的なレベルで次の質問を検証するように促します。「一体どの時点で我々は自己破壊に気付き、行動するのか?」本作のモチーフは木々ですが、それらは人類全体を象徴しています。ラインゴールドの解釈を引用するなら、《最後の木》は究極的には、「人間が自分たちの最も重要な部分を破壊する、ホロコースト(大虐殺)のような風景で」あり、彼女の本意は人類に捧げる、警告的なレクイエム(哀歌)でもあります。
特に注目に値するのは、ラインゴールドの木々が、非常に手の込んだプロセスを経て作られていることです。外皮は手で染めたオーガンザ布からできており、それに、長年様々なヘアサロンから収集した髪の毛を詰めていきます。無名の人々から集めた多様な毛には、それぞれの人の遺伝子が宿り、それらはその人々の死後も保存されます。従って、《最後の木》に使用されている毛は、環境が破戒された後に残る人間の状態を例証するものです。近くで鑑賞すると、木の株たちは、それぞれ命を持った小さな生き物のようにも思えます。株の表面には、手縫いで詳細な装飾が施され、それらが一つ一つに独自の特徴を与えているのです。


写真:バブズ・ラインゴールド、《最後の木》、2010-13年、ミクスト・メディア