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2003年6月12日ー7月19日

キュレーター: Koan-Jeff Baysa(コーアン・ジェフ・バイサ)

アーティスト:Monica Castillo(モニカ・キャスティロ)、Emma Dewing(エマ・デューイング)、Margaret Evangeline(マーガレット・エヴァンジェリン)、Habib Kheradyar(ハビブ・カラディアー)Kunié Sugiura (杉浦 邦恵)、Gyoko Yoshida(吉田暁子)

絵画の死が議論される多くの他展覧会とは違った姿勢を見せる今展覧会の作品群は、本来通常のペインティングとは違う作品でありますが、絵画というものの実際上の境界と概念的境界を問い、またビデオ映像や写真、彫刻、インスタレーションやパフォーマンスの中で、その境界線が形状と時間により崩壊する事を熟考する、ペイント要素を含む作品であります。

展示会には東京、ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨーク、そしてメキシコシティーの世界中から集められた6人のア−ティスト達がそれぞれの多様なスタイルを用いて、抽象と具象、官能と概念の変動の間と、その各々のメディアとの関係から、絵画の定義を提案します。

キューレーターは作家であり、アート収集家、また開業医であるコーアン・ジェフ・バイサ氏。この展覧会のオープニング日には、コーアン・ジェフ・バイサ氏、そしてニューヨークの批評家と作家であります、ドミニーク・ナハス氏とジョナサン・グッドマン氏をお招きして、ア−ティスト・パネルが 午後5時半から6時半まで同時開催されます。

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Beyond the Flâneur (ビヨンド・ザ・フレネール)

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2003 年4月12日 ー 5月24日

キュレーター: 中森康文

アーティスト: 朝岡あかね、Kenn Bass(ケン・バス)、Franklin Evans(フランクリン・エバンス)、畠山直哉、Yun−Fei Ji(ヤン・フェイ・ジ)、桑原正彦、Mark Parsons (マーク・パーソンズ), Gerry Snyder(ジェリー・スナイダー)

19世紀のフランスの文人たるボードレールやバルザックがその作品に登場させたFlâneurとは、めまぐるしく変動するパリの町を、その迷宮を解き明かすかの如く放浪・観察し、取り巻く事象や人々を評論した芸術家を指します。ボードレールによると、都市生活の最新性に着眼し、作品にその最新性と新しい表現(絵画の形式と内容の双方)を関連できて始めて“Flâneur“となるとあります。現代社会の中で“Flâneur“である芸術家達は、実生活において、あるいはインターネットなどを通して、社会・都市環境を流浪するといって良いでしょう。今回の展覧会のアーティスト達はそれらの環境を“Flâneur“の視点から模索し、作品に表現します。その表現には、しばしば空、人物、動物などを含むパノラマ風景を含みます。

朝岡あかねは、ニューヨークの街並の写真の中に見い出される光源を用いて、都市星座のイメージを創造します。ジェリー・スナイダーはフランスおとぎ話の挿絵スタイルを用い、ルネッサンス風ユートピアを背景に漫画的単細胞のキャラクターを交えて聖書やアメリカ映画から触発されたストーリーを複数パネル油絵に描き出します。ヤン・フェイ・ジは近代・現代中国史上の都市化現象を陽気な風刺を混じえて古典的墨絵の技法を用い、叙情詩調の素描に描き出します。畠山直哉の写真『アンダーグラウンド』は東京・渋谷川地下に広がる未知で暗黒な世界へ観る者を導いていきます。マーク・パーソンズは都市生活の経験を幾何学を通じてその彫刻に表現し、フランクリン・エバンスは都市の生命を維持する都市体系システムをイメージしそれを素描に映し出します。桑原正彦は、その油絵に、公害等の影響を受けて変態化した動物のイメージを、大惨事後のような超現実風パノラマを背景に描きます。ケン・バスはビデオ及び音響インスタレーションにて、都市生活と旅に関連した潜在意識から浮かび上がる経験と記憶との関係を模索します。

この展覧会の一環として、4月25日金曜日午後6時半より、評論家でハンターカレッジ助教授のケイティー・シーガル女史を迎えて、出展作家によるトークが同ギャラリーで開催。

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Making It Home: Three Contemporary Asian Artists(メイキング・イット・ホーム:アジアの現代3作家展)

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2002年11月7日 ー 12月14日

キュレーター:手塚美和子、シン・イー・ヤン

アーティスト:Michael Lin(マイケル・リン)、高塩久育、C. J. Yeh(C. J. イェー)

私達にとって「ホーム・家」とはいったい何を意味するのでしょう。団欒の場?癒しの場? それともいつかは去らねばならないふるさとでしょうか?

ニューヨークのソーホー地区にございますイセ・カルチュラル・ファンデーション・ギャラリーでは、11月7日から12月14日にかけて、この「ホーム」というコンセプトをテーマとした展覧会『Making It Home: アジアの現代3作家』展が開催されます。この展覧会は、マイケル・リン(日本生まれ、台湾・アメリカ・ヨーロッパで活動)、高塩久育(たかしお ひさやす、日本生まれ、アメリカで活動)、そしてC.J.イェー(台湾生まれ、アメリカで活動)の3人のアーティスト達が、つねに変化し捉えどころの無い「ホーム」という概念を、それぞれの作品でどのように表現するのかを探ります。現在は母国をはなれて活躍する彼らが、「ホーム」という空想、あるいは現実の場所に感じるものは様々です。それは異郷での生活、越境の経験、そして新しいコミュニティーづくりの希望と困難でもあります。

この展覧会では、作品展示の方法を工夫して、ギャラリーというパブリックな空間を、「ホーム」というプライベートな領域とオーバーラップさせることを試みます。訪れる人たちはその空間の内で、ふと自分の居場所を振り返って考えるきっかけに出会うことでしょう。

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WATERwalks (ウォーターウォークス)

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2002年9月14日 ー 10月26日

キュレーター:Mihee Ahn (ミーヒーアン)Hyunjin Shin (ヒャンジンシン)

アーティスト:Kelley Bush(ケリーブッシュ) Myung Chung(ミュングチャン), Makoto Fujimura(マコトフジムラ),Soon Myung Hong(スンミュンホン), Hyeyeon Jang(ヘイオンジャン), Jeannette Louie(ジャネットルイ), Jenna Lucente(ジェンナルセント), Meryl Meisler(メリルメイスラー)

イセカルチュラルファンデーションでは、キュレーターと安美喜氏(アン・ミーヒー)と申紘眞氏(シン・ヒャンジン)を迎え、「水」にフォーカスした展覧会:“WATERwalks”(ウォーターウオークス)を開催いたします。

ゲストキュレーター:安美喜氏(アン・ミーヒー)と申紘眞氏(シン・ヒャンジン)の二人はこの”Waterwalks”で、東アジアにおいて何千年にもわたり交わった仏教と儒教に語られるFiveElementTheory(水、木、火、大地、そして鉄)を引用しつつ、とくにその中の‘水’に焦点をあて、東洋と西洋の文化の基本的な位置づけ、現代社会における千差万別な美術表現、及び、アメリカの一般大衆におけるよりよいアジア文化への理解を導きだそうということを目的としています。展覧会では水に関係する作品を制作している8人の現代美術作家の作品を紹介しますが、個々の作家は視覚的に水を表現しているのみならず制作過程においても、水という要素は大きく反映しています。

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The Drawing Room

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2002年6月21日ー7月27日

キュレーター: 遠田奈緒

アーティスト:Eva Lee(エバ・リー), Frank Magnotta (フランク・マグノッタ),  Ayae Takahashi (アヤエ・タカハシ)

21世紀を迎えた現代アートシーンはビデオなどのメディアアート、そして空間を鑑賞するインスタレーションアートへと移行してしまったかのようです。しかし、戦争やテロリズムといった行為を引き起こす素因子となる各個人のもつ概念などが、今見つめ直されていると同時に、あえて根本的な要素を持つアートの素材に固守する若手アーティストが注目され始めているようです。その1つがドローイング(素描)作家です。コンピューターシステムも整備され、またそれらを自在に扱えるスキルをもちあわせながらも、なぜ彼らはその昔ながらの素描制作に固守するのでしょうか。

今回で2回目となるイセカルチュラルファンデーションのサマープロジェクトThe Drawing Room (ドローイングルーム)と題し、現在アメリカ在住の若手ドローイング作家3名を紹介致します。1人目はコネチカットにて制作を続けるエヴァ・リーです。彼女は漆黒の無機質な紙の上へ、白インクの点と線によりその宇宙的な世界を展開してゆきます。その広がりゆく宇宙は、何物かの体内の細胞分裂のようにも見えてきます。2人目のフランク・マグノッタはミシガン育ち、現在ブルックリンにて活動するドローイング作家で、毎週・毎月発刊されるテレビガイド冊子内のテレビ番組の放映時間を元に、建物の空間面積とフロアー数を決め、表壁面にはその各番組タイトルを取り付け、空想のビルディングを組み立ててゆきます。3人目のボストンを拠点に活躍するアヤエ・タカハシは、童話に基づいたシーンを、日本の象徴物である襖絵に見立たてたパネル上へ描き出しています。現存する空間と寓話的世界の間を仕切る襖絵上に、彼女は自分のバックグラウンドである東洋的要素と現在生活している西洋社会との融合、そして個人的な心理状態を盛り込んでいます。

現代アート市場の中心とされるニューヨークから離れて育ち、又、活躍中のこれらの作家たちは、最新の芸術メディアを追いかけ続け、消耗熱にかかり気味のアートフリークたちの心のなかに、共感するものを呼び起こすでしょう。それは、彼らの素描の中に見える素直さが与える、気取らない、心地よさかもしれません。

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Spirit of Tea (スピリット・オブ・ティー)

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2002年5月16日 ー 6月8日

キュレーター:山村みどり

アーティスト:開発好明

ニューヨークで活躍するキュレーター山村みどり氏を招き、展覧会”Spirit of Tea” にてコミュニケーションをアートの媒体とする2人のアーティスト、開発好明磯崎道佳を紹介します。ポーラ財団奨学金で留学をしていたアーティストの開発好明は90年代中頃から、地域社会に根ざしたコミュニケーションを作品作りの核とした制作活動を行っています。コミュニケーションを媒体とする作品作りの切っ掛けとなったのは、1995年から1996年にかけての365日間、彼がNHK衛星テレビのレギュラーを勤め、日本全国365カ所の様々な人達の家にあらかじめ発送した自身の等身大の箱形の作品を毎日訪ねてゆくという番組『365大作戦』を制作したことに起因します。彼は番組を通して従来芸術作品を見せる「場」を美術館のような近代主義が作り出した歴史的な現場から、テレビというポピュラー•カルチャーの「場」、メディアへ転換してしまいました。またこの作品にはサブヴァーシブな一面もあり、通常ある種の均質化された情報が流れがちなテレビのようなマスメディアを、ローカルなコミュニケーション形態に落とし込むことによって、開発は社会における権威的な立場や情報といったものを逆転しています。

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Kohei Kobayashi 3

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2002年3月22日 ー 4月20日

キュレーター:山本ゆうこ (展覧会開催時、白石コンテンポラリーアート所属。現在は自身のギャラリー山本現代を運営。)

アーティスト:小林耕平

イセカルチュアルファンデーションは、キュレーターをサポートするプログラム、 プログラムフォーエマージングキュレーターズ(PEC)を通し新進気鋭の展覧会企画者及び現代美術作家達を応援しています。当プログラム企画2回目となる今回は、白石コンテンポラリーアート(SCAI)の山本ゆうこ氏を招き、日本のビデオアーティスト小林耕平を紹介致します。小林はアメリカでの初個展となる‘Kohei Kobayashi 3’にてビデオを元にしたインスタレーション形式で、映像作品を紹介します。

小林はビデオ作品の中で、グリッドで区切られた小室のなかで蠢き続ける人物の影や、無重力状態を想わせる場所に人間の身体箇所を組み合わせた動態的物体を登場させ、独特な世界を表現しています。その映像作品には音声は一切含まれていませんが、画面上のその幽霊にもみえるモノトーンの残像と共に、拭いきれないノイズ音を脳裏に抱かせます。その蠢く物体/人物像は鑑賞者自身の記憶の中のドッペルゲンガー(亡霊、実体のないもの)ともとられ、作家は現代社会に向けられるその個人的かつ独特な無味乾燥な観点を、私達の潜在意識内に深く印象づけます。

小林耕平は愛知県立芸術大学油科を卒業し、現在は日本にて制作をしています。小林は映像をつかうアーティストとして注目され、グループ展でも作品を発表、大学を卒業した年には福井ビエンナーレ8にも参加しました。個展も名古屋で行い、今回のNY初個展後は静岡県にて個展が予定されています。また、名古屋にあるArtSpaceDotの自主運営メンバーのひとりでもありました。

今回のゲストキュレーターである山本ゆうこ氏は、現在白石コンテンポラリーアート(SCAI)に所属し、日本を拠点に活躍中です。過去に、東京のレントゲンクンストラムにて日本の現代美術作家展を企画し、ヤノベケンジや小谷元彦等をする他、様々なスペースでの展覧会も手掛けています。

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東恩納裕一:Walking the Window

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2002年1月15日 ー 2月23日

キュレーター:千葉由美子 ユミコチバ•アソシエーツ

この度イセファンデーションは、今日のアートシーンにおいて新進気鋭の現代美術作家を取り扱うキュレーターを招くプログラム、PEC(プログラム フォー エマージング キュレーターズ)を開始致しました。PEC第一弾と致しまして、ユミコチバ•アソシエーツの千葉由美子氏のキュレーターにて、カナダのオタワからの巡回展である東恩納裕一の個展をご紹介致します。作家は私達の消費社会に当たり前に存在するもののモティーフを用いて、イセギャラリーを一つの居住空間に仕立てます。鑑賞者はキャンバス上に描かれたカーテンを窓越しに眺めつつ、身近な空間を体験します。窓越しの作品を眺めたり、又、窓の裏側に足を踏み入れることにより、人々は”表面に見えている”ものと”裏側に隠れている”ものの相反する印象を同時に受けます。人々はその日常において目にする物とピンク色の壁で囲まれた”見えている”空間内では心に安らぎを覚えますが、一方、現実の日々の生活内で出会うなにか薄気味悪い存在が、窓の裏側に隠れている事に気付きます。そのインスタレーションの中を巡ることにより、その空間への招待者は、彼らが日々感じ続けている与えられた満足感とその中に潜む見えない不安感を同時に抱えている精神状態にいることに気付きます。今展覧会のキュレーターである千葉由美子氏は、主に日本のギャラリーや美術館にて多くのベテラン作家や新人作家の展覧会を企画しております。

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