ISE NY ART Discussion シリーズ1「野田正明と新進クリエイター達」

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2015年2月11日

世代やジャンルを越えたより深いコミュニケーションを促すことを目的に新しいシリーズ「ISE NY ART Discussion」が始まりました。
第一回はニューヨークを拠点に世界的に活躍する日本人アーティスト、野田正明氏の話を軸に、4人の若いクリエイター(アーティスト出口雄樹、アーティスト大野修、デザイナー/ダンサー田中紳次郎、建築専攻学生サクマミム)が熱く意見交換をしました。トピックはアートと地域作り、アーティストとしてどう企業や社会とコミュニケーションをとっていくか、日本人クリエイターの今後の可能性など多岐に及びました。

在米歴40年近く、ニューヨークを拠点にアーティストとしてのキャリアを積んできた野田正明氏。最近では ギリシャや日本に野外彫刻などを設置するパブリック・アートにも積極的に取り組んでいます。そんな野田氏の経験談を若い世代、違うジャンルのクリエーターたちとシェアし、意見を交換できる場をと今回のトークが持たれました。参加したのはニューヨーク在住 の新進アーティスト、大野修。これから日本へ帰国して新たな環境で制作を再スタートする構想を暖めつつあります。また 日本で大学院を卒業した後ニューヨークにやってきたアーティスト、出口雄樹。これからアメリカを拠点にキャリアを築いていこうと考えています。田中紳次郎は日本の広告会社で働いた後、ニューヨークで再出発。デザインを勉強し、ダンサーとしても活躍。今後は自身が立ち上げたビジネスで、世界の人とものを繋げていきたいとのビジョンを持っています。サクマミムはニューヨークの大学で現在建築を勉強中。アートと建築の関係、建築での社会貢献に非常に興味を持っています。

トークは野田氏のアーティストとしての成功と挫折の経験談をはじめ 、アメリカのギャラリー・ビジネスの仕組み 、他の著名なアーティストと知り合うことで得てきたアートに対する取り組み方、どうチャンスをつかんでいくかなど、アーティストが知りたい実践的な情報が盛りだくさん。パブリック・アートに話が及ぶと、「アートはコミュニケーション」と言う野田氏が、モニュメント彫刻の制作に際して、美術品制作の経験が全くない工場と連携してゼロから一緒に作り上げていったプロセスや、行政との関わり、アートを通じていかに街作り、地域の活性化、意識改革をしていけるかなど、多面的に語りました。また野田氏は一方的に話すのではなく、若いクリエーター達のビジョンを引き出し、4人がそれぞれに自らの構想を実直に語りました。大野は日本ではデザインとアートを両方手掛けることにより、アーティストとして自給自足を目指し、地域に根ざした活動と共に世界と繋がるビジョンを持っています。また出口は、発表の難しいニューヨークで、ただ訪れるチャンスを待つのではなく、自ら展覧会を企画し、それを成功させるために奮闘中であることを企画書も出して披露。グアテマラから戻ってきたばかりという田中はその地域の伝統的なクラフトを活かした製品の開発、それをブルックリンから世界に向けて発信するビジネス、またそれによる地域への還元のアイデアを語りました。現在大学で建築を専攻するサクマは、ニューヨークで出会うアートにも触発され、建築を通じてアートに関わっていくこと、そして建築が担う社会貢献を実現する心構えを語りました。

お互いの意見に賛同の声や時には疑問を投げかける場面もあり、予定の時間を大幅に越えて密度の濃いディスカッションとなりました。